2019年4月9日
私が個人的に楽しんでいる番組に大阪朝日放送制作の「教えてニュースライブ! 正義のミカタ」という番組があります。
先日4月6日放送分で、「技能実習生制度」が取り上げられていました。
関心を持ってみたものの、実際に「技能実習生制度」に日々関わっている我々としては承服できない数々の論調が出てきたあっけにとられました。
まず基本的な流れとして、番組ゲストおよび番組は「技能実習生制度は悪」の論調で番組が進みました。
その中で「専門家」と呼ばれる方が制度に警鐘を鳴らしているとの事。
まず前提に「専門家」と呼ばれる方が自身の紹介として、「実習生に多数インタビューしたジャーナリスト」という説明なのですが、番組を見る限りでは、「あくまで取材をされた方」であり、常にこの事業に従事されていないように見受けられます。
ジャーナリストがインタビューをする段階で、すでに無差別・無作為な人選の上でインタビューをしているわけでなく、取材対象はもちろん「取材対象となりうる人物」であり、その場合インタビューを受ける対象者の主観が反映されてしまい、決して公平な判断ができないように思います。
それで「専門家」と名乗り、また「公平な評論」が出来ているのでしょうか?
そして、その方が言う「警鐘を鳴らすべきところは以下の通り
「非合法な低賃金」「暴力」「人権問題がまん延」「実習生は苦悩の果てに失踪」「犯罪に手を染めてしまう実習生も少なくない」というキャプション。
ちょっと待ってください、上記の問題は「外国人実習生制度の問題」ですか?
最初の3つは「就業企業の問題」、つぎの2つは「実習生の問題」ではないでしょうか?
結果、専門家が提唱するのは「技能実習制度=現代の奴隷制度 日本の将来を考えるなら廃止するべき」という提言でした。
以下に番組で取り上げられたトピックに関しての事実誤認、情報誘導、そして私たちの反論を取り上げます。
実習生制度では来日希望者が沢山いる訳ですから、無理やり「悪魔のような雇用契約」をしているわけではありません。
例に出された「毎月の手取り7万円」は個人的には少ないと思いますので、実習生候補はその募集に手を上げなければ良い話であり、企業側がまず就労条件を提示して希望者を募集、その企業と契約したいという実習生候補本人と面接し契約したのに、来日後に「給与が少ない」と苦言を呈されれば、企業側の方が騙された気持にならないでしょうか?
我々が放送を見ただけでも、「司会者」「専門家」「評論家」の全てに「実習生制度における認識不足」「事実誤認」や「針小棒大な問題提議」がされており、その解説を受けたゲストの「なんて悪い制度なの?」というリアクションが、まさに「視聴者のリアクション」だと考えています。
こういった間違った認識の植え付けに我々も胸を痛めています。
さらに番組では専門家が「我々はしっかりやっている監理団体だ、と言われる方もおりますが、この世界は小さすぎるから、他の組織の問題が分からないだけなんです」と言われました。
「他の組織の問題が分からない」のは「世界が大きすぎて把握できない」なら分かりますが。。。
私たちは決してこの技能実習生制度が「完璧な制度」とは考えておりません。
しかし昨今目にする「外国人実習生制度批判」に関しては、一貫して「制度の問題」ではなく「外国人労働者の雇用」における問題であり、そこを是正しないと「外国人実習生制度」が無くなっても、問題は積み残ったままです。
このトピックの最後に京都大学の藤井教授が、「ブレグジットやトランプ大統領の国境の壁と同様の移民問題なんですよ」と言われてましたが、まさにそのとおりであり、トピックで挙げられた種々の問題は「外国人実習生制度」の問題ではなく、「外国人労働者の雇用問題、移民問題」であり、それを解決できないなら、元から「外国人労働者拒否」の政策を取ればよい事です。
それが出来ないのであれば、「外国人が日本で働く制度の一つ」として、この「技能実習生制度」はそれなりに熟慮されていますし、そこまで非難される問題ではないと思います。
それでも日々我々が携わっていく中で、問題も見受けられます。
それが下記の件です。
話が長くなったため、今回はこれくらいにしますが、昨今の「技能実習生制度=悪」という反射的な論議に我々としてはしっかりと反論したいと思います。
我々の反論に関して、再反論がある場合は、是非ご連絡ください。
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