先日、毎日新聞で「外国人技能実習生 受け入れ団体にマージン 1人あたり10万円以上来日時負担」という記事がありました。
記事の内容としては、「受け入れ団体=監理団体」が海外の実習生送り出し機関に対し、実習生を日本に派遣する場合、10万円のキックバックを要求し、その原資が「実習生候補者」に強いられている、と言うものです。
記事の真偽は分かりませんが、それが本当であれば大変遺憾な所業です。
もちろん海外の送り出し機関に訪れれば、多くの日本への来日希望者がおります。
誰もが日本へ来ることを希望しています。
しかし10万円ほどのキックバックを要求し、実習生がそれを負担すればどうなるか?
もちろん実習生は、日本での実習を後回しにして「金稼ぎ」に集中する事でしょう。
結果、実習先での給与に不満を訴え、挙句「逃亡」などをし、不法滞在外国人として長期滞在を考えると思います。
そうなれば「監理団体」と言えど、実習先から非難も浴びますし、さらに人員の補てんもしなければならない、実務が急激に増えるだけであり全く10万円のキックバックに対して利するものがありません。
倫理的な考えだけでなく、メリット・デメリットだけで考えても全く意味のない行為です。
「監理団体」としては、「実習生になるべく実習先に定着してもらいたい」と考えるのが普通であり、それでこそ「安定した実習監理」ができます。
ですので、この記事のように「10万円のキックバックを要求するメリット」が全く想像できないのです。
何度も申し上げるように、基本的に「キックバック要求」は実習制度の本旨を見ても最悪の行為です。
それと共に、「メリット」もないため、まったく意味のない行為でしょう。