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当組合は、「中小企業なれど国際化をもって発展を」という志を同じくした企業があつまり、企業合同体でのスケールメリットを活かし海外企業との折衝を円滑に進めよう、と船出した中小企業組合になります。
時を同じくして、IT革命はそのインフラを我々中小企業の最もたるビジネスパートナーであるアジア諸国、いわゆる「発展途上国」にまで広げ、それらの国との連携は一昔前では想像できなかったくらいに円滑になっています。
「企業合同体」をつくり、そして我々が行ってきた「共同購買事業」の中で連携したビジネスパートナーから、やがて一つの声が上がります。
「ビジネスという形と共に、我々の国の若者にも成長の機会を与えてほしい」というものでした。
私自身も、すでに「外国人技能実習生制度」というものは理解しておりました。
協同組合設立の10年ほど前になりますが、代表理事である私が経営する会社でも「外国人実習生」を受け入れていた経歴があります。
リーマンショック後の不景気のなか、しばらく遠ざかっていましたが、久しぶりに聞く「外国人技能実習生」という言葉、そしてそれを現実的に再度受け入れるイメージを考えてみますと、心が震えました。
私自身、10年前の「外国人実習生受け入れ」を機に海外との貿易事業を始め、それを事業の一つの柱として成長させてきた経緯があります。
そしてその後の豊富な海外事業展開の経験として蓄積しています。
それと同時に、その当時と現在との違いは、いま私たちは「協同組合」を運営しております。
実際この「外国人技能実習生制度」では、外国から人を受け入れ、それを「実施機関」である組合員企業に派遣、監理する「団体監理型技能実習生受け入れ」は、一企業単独では行えません。
それゆえに多くの「人材派遣会社」がこの事業のための「協同組合」を設立し、日本で現在行われている人材派遣と同様の捉え方で、実習生の管理を行っています。
私は、決して「人材派遣会社」が「協同組合」を展開しこの事業を推進するのを否定しているわけではありません。
「人材」の扱い事にかけては、「一日の長あり」とも考えております。
しかしこの「外国人実習生事業」というもので我々がコミュニケーションをとっていくのは「日本人ではなく、あくまで外国人」です。
「外国人実習生」は初めての国にきて、その文化の違いに戸惑います。
母国で学んできた日本語が、思うように通じない瞬間を目の当たりにします。
研修後の余暇も、どのように過ごせばいいのか分かりません。
勇んで来日したものの、毎日の生活の中で浮かぶ母国の家族の顔があります。
私たちはそうした実習生の心持を理解し、対応しなければなりません。
またそれと同時に、研修機関である企業の皆様に、「外国人と働く事」をご理解頂かなければなりません。
その部分で、私たちが普段の協同組合事業の中で日常的に海外との折衝を行っている経験と実績が、この事業を成功に結び付けられうのではないかと考えております。
私もかつて実習生受け入れ企業の責任者として、泣き笑いをしてきました。
それだからこそ分かる「外国人と仕事をする事」の難しさ。
しかしそれが円満につつがなく行われていくとき、企業としても、実習生自身も、そして私たちもまた新しい扉を開くことができる事を知っています。
私も皆様の仲間です。
SME国際事業支援協同組合
代表理事